犬・猫の尿酸アンモニウム結石とは?原因・症状・治療・予防について
犬や猫の尿路結石にはさまざまな種類がありますが、その一つに「尿酸アンモニウム結石」があります。
ストルバイト結石やシュウ酸カルシウム結石と比べると発生頻度は低いものの、肝臓の病気や遺伝的な体質が関係していることがあるため、注意が必要な結石です。
また、適切な治療によって溶解できる場合もありますが、再発することもあるため、原因に合わせた継続的な管理が大切です。
今回は、尿酸アンモニウム結石の原因や症状、治療方法、再発予防についてご紹介します。
【尿酸アンモニウム結石とは?】
尿酸アンモニウム結石とは、尿中の尿酸とアンモニウムが結合して形成される結石です。
尿酸は、プリン体という物質が体内で分解される過程で作られます。通常、犬や猫では肝臓でさらに分解され、尿中に排泄されます。
しかし、肝臓の機能や尿酸の代謝に異常があると、尿中の尿酸が増加し、結石が形成されやすくなります。
主に膀胱や尿道に発生しますが、腎臓などに形成されることもあります。

【尿酸アンモニウム結石ができる原因】
主な原因として、以下のようなものがあります。
① 門脈体循環シャント(PSS)
門脈体循環シャントとは、本来肝臓を通過するはずの血液が、肝臓を十分に通らず全身に流れてしまう病気です。
その結果、尿酸やアンモニアの代謝に異常が生じ、尿酸アンモニウム結石が形成されやすくなります。
特に若齢の犬猫で尿酸アンモニウム結石が見つかった場合には、肝臓の血管異常が隠れていないか確認することが重要です。
② 肝機能の低下
肝臓には、体内で作られた尿酸やアンモニアを処理する働きがあります。
重度の肝臓病などによって肝機能が大きく低下すると、これらの物質を十分に処理できなくなり、尿酸アンモニウム結石が形成されやすくなる場合があります。
そのため、尿酸アンモニウム結石が見つかった場合には、肝臓の働きに異常がないかを確認することも重要です。
③ 遺伝的な体質
ダルメシアンや一部のブルドッグ、ミニチュアシュナウザー、ヨーキー、シーズーなどでは、遺伝的に尿酸を排泄しやすい体質が知られています。
これは高尿酸尿症と呼ばれ、肝臓に異常がなくても尿酸アンモニウム結石が形成されることがあります。
④ 尿の濃縮や食事内容
飲水量が少なく尿が濃くなることや、プリン体を多く含む食事も結石形成に関係します。
【症状】
尿酸アンモニウム結石では、以下のような症状がみられます。
・血尿が出る
・何度もトイレに行く(頻尿)
・1回のおしっこの量が少ない
・排尿時に痛がる
・トイレ以外で排尿する
・陰部を頻繁になめる
また、門脈体循環シャントなどの肝臓の異常が原因の場合には、発育不良、食欲不振、嘔吐、ふらつき、けいれんなどがみられることもあります。
⚠️ 特に注意が必要なのが尿道閉塞です。
結石が尿道に詰まると、尿が出なくなり、急性腎障害などを引き起こすことがあります。
何度も排尿姿勢をとるのに尿が出ない場合は、すぐに動物病院を受診してください。
【診断】
尿酸アンモニウム結石が疑われる場合には、以下の検査を組み合わせます。
① 尿検査
尿pH、尿比重(尿の濃さ)、結晶の有無などを確認します。
② レントゲン・超音波検査
結石の大きさや位置を確認します。
尿酸アンモニウム結石はレントゲン検査では写りにくいことがあるため、超音波検査などを組み合わせることが重要です。
③ 血液検査 ←重要!
肝機能やアンモニア、総胆汁酸などを評価し、門脈体循環シャントなどの可能性を調べます。
必要に応じて、CT検査などの追加検査を行うこともあります。
なお、結石の成分を確定するには、摘出した結石などの成分分析が必要です。
【治療】
尿酸アンモニウム結石は、原因や状態によって治療方法が異なります。
① 食事療法
尿酸の材料となるプリン体を制限した療法食を使用します。
肝臓に異常がない一部の犬では、食事療法と薬物療法によって結石を溶解できる場合があります。
② 薬物療法
必要に応じて、尿酸の産生を抑えるアロプリノールなどを使用することがあります。
ただし、使用方法によっては別の種類の結石が形成されることがあるため、獣医師による管理が必要です。
③ 外科的治療
尿道閉塞を起こしている場合や、内科的治療が適さない場合には、結石の摘出を検討します。
また、門脈体循環シャントが原因の場合には、結石だけでなく、原因となる血管異常の治療が重要です。
【再発を防ぐためには?】
尿酸アンモニウム結石は再発することがあるため、治療後も継続的な管理が必要です。
① 飲水量を増やす
尿を薄く保つことで、結石を形成する成分の濃度を下げます。
ウェットフードの活用や食事への加水などがおすすめです。
② 尿pHを適切に管理する
尿pHとは、尿が酸性かアルカリ性かを示す数値です。
pH7が中性で、7より低いと酸性、7より高いとアルカリ性になります。
尿酸アンモニウム結石では、尿が酸性に傾くと結石が形成されやすくなるため、一般的にpH7.0以上を一つの目安として管理します。
ただし、尿をアルカリ性にしすぎると別の種類の結石が形成される可能性もあるため、個々の状態に合わせた管理が重要です。
③ 適切な食事管理
プリン体の多い内臓肉や一部の魚類などを控え、必要に応じて専用の療法食を使用します。
④ 定期的な尿検査・画像検査
尿検査では尿pHや尿比重、結晶の有無などを確認します。
また、尿酸アンモニウム結石はレントゲン検査で確認しにくい場合があるため、超音波検査などによる定期的な評価も重要です。
【まとめ】
尿酸アンモニウム結石は、犬や猫に発生する尿路結石の一つで、肝臓の病気や遺伝的な体質が関係していることがあります。
そのため、結石の治療だけでなく、背景にある病気を調べることが重要です。
また、適切な食事管理や飲水量の確保、定期的な尿検査・画像検査によって、再発リスクを減らすことが期待できます。
「血尿が出る」「トイレの回数が増えた」「尿路結石を繰り返している」など、気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください🐾

