低アルブミン血症
低アルブミン血症とは、血液中に含まれる「アルブミン」というタンパク質の濃度が低下している状態を指します。アルブミンは主に肝臓で作られ、血管内の水分を保つ働きや、さまざまな物質を運ぶ重要な役割を担っています。そのため、この値が低下すると体にさまざまな異常が現れます。
【アルブミンの役割】
アルブミンは体内で非常に重要な働きをしています。代表的なものとして、血管内に水分を引き留める働きがあります。この働きがあることで、血液中の水分が血管外へ漏れ出るのを防いでいます。
そのため、アルブミンが低下すると、血管内の水分が外に漏れやすくなり、「腹水」や「胸水」、さらには全身のむくみ(浮腫)といった症状が現れます。
【症状】
低アルブミン血症では、以下のような症状が見られることがあります。
・お腹が張る(腹水)
・呼吸が苦しそう(胸水)
・手足や顔のむくみ
・元気消失、食欲低下
・体重の増加(体液貯留による)
症状はゆっくり進行する場合も多く、気づいたときには重度になっているケースも少なくありません。
【主な原因】
低アルブミン血症は、いくつかの原因に分類されます。
中でも肝臓・腎臓・消化管でトラブルが起きていないかは重要になります。

1、産生の低下(肝臓の問題)
アルブミンは肝臓で作られるため、肝機能が低下すると産生量も減少します。慢性肝炎や肝硬変などが代表的です。
2、消失の増加
・体内で作られたアルブミンが失われてしまう場合です。
・消化管からの喪失(蛋白漏出性腸症)
・腎臓からの喪失(蛋白漏出性腎症)
・出血や滲出液
3、栄養不足・吸収不良
十分なタンパク質が摂取されていない、あるいは腸で吸収できていない場合もアルブミンは低下します。
4、炎症や腫瘍
慢性炎症や腫瘍性疾患では、アルブミンの消費が増えたり、産生が抑制されたりします。
【診断】
低アルブミン血症の原因は多岐にわたるため、一つずつ除外することが重要になります。
・血液検査:全身状態の把握、肝機能検査(TBA)など
・尿検査:腎臓から蛋白尿が出ていないか
・便検査:消化管からの蛋白喪失の評価
・超音波検査:肝臓・腎臓の形態異常、消化管の腫れがないか
・X線検査:胸水・腹水の確認
必要に応じて内視鏡検査や生検を行うこともあります。
【治療】
治療は原因に応じて行うことが最も重要です。
・肝疾患:肝機能をサポートする治療
・腸疾患:食事療法や免疫抑制療法
・腎疾患:タンパク漏出を抑える治療
・栄養不足:高タンパク食や栄養管理
また、症状が重い場合には、点滴やアルブミン製剤の投与、腹水や胸水の除去などの対症療法が必要になることもあります。
【注意点と早期発見の重要性】
低アルブミン血症は単なる「数値の異常」ではなく、体のどこかに重大な問題が隠れているサインです。特に、腹水やむくみが見られる場合は、すでに進行している可能性があります。
早期に原因を特定し、適切な治療を開始することで、状態の改善や進行の抑制が期待できます。
【まとめ】
低アルブミン血症は、肝臓・腎臓・消化管などさまざまな臓器の異常によって引き起こされる重要な病態です。むくみや腹水といった症状の背景にあることも多く、見逃さないことが大切です。
「最近お腹が張っている」「むくみが気になる」「元気や食欲が落ちている」といった変化がある場合は、早めの受診をおすすめします。適切な検査と治療により、改善が期待できるケースも多くあります。

