神奈川県川崎市の動物病院 だん動物病院

股関節形成不全

2025-09-21

【どんな病気?】

股関節形成不全は、股関節のかみ合わせがうまくいかず、関節がゆるんでしまう病気です。その結果、関節に負担がかかり、痛みや歩き方の異常が出てきます。

若い大型犬で多く見られますが、実はブルドッグやパグなどの短頭種でも発生率が高いと報告されています。小型犬では比較的まれです。

 

 

【原因】

様々な要因が関与しているとされています。

・遺伝的な要因

・骨や筋肉の成長のバランスが悪いこと

・急激な体重増加や肥満

・栄養の過不足(特にカルシウムやビタミンDのとりすぎ)

 

 

【症状】

・腰を大きく振って歩く(モンローウォーク)

・ウサギのように後ろ足をそろえて跳ねる走り方

・休んだあとに立ち上がりにくい

・階段やジャンプを嫌がる

・散歩中すぐ疲れる

 

 

【どんな風に進む?】

・子犬期(4〜12か月齢):股関節がゆるく、歩き方に異常が出やすい。

・成長とともに症状が軽くなることもある。

・しかし、大人になると変形性関節症(関節炎)が進行して、再び痛みや歩行障害が出てくることが多い。

 

 

【診断】

・触診:関節を動かしたときの痛みや股関節のゆるみを調べます。(オルトラニ試験など)

・レントゲン:確定診断に必要です。骨の適合具合や関節炎の有無を評価します。

 

 

【治療】

大きく分けて「保存療法」「外科手術」があります。

 

●保存療法(多くの犬に有効)

・体重管理(肥満は関節に大きな負担)

・毎日の適度な運動(水泳や芝生の散歩が◎)

・滑りにくい床材を使う

・痛み止めやサプリメントの使用

 

●外科手術

症状が強い場合や若齢犬で予防的に行うことがあります。

・3点骨盤骨切り術(TPO)

・大腿骨頭切除術(FHNO)

・人工股関節置換術(THR)

手術後はリハビリや運動管理が重要です。

 

 

【飼い主様ができること】

・太らせすぎない

・適度に運動をさせる

・家の中を滑りにくくする

・症状が見えたら早めに病院へ

 

 

【まとめ】

股関節形成不全は、犬にとって痛みや生活の質の低下をもたらす病気です。早期に気づき、適切な管理や治療を行えば、元気に暮らせる期間を大きく伸ばすことができます。

「歩き方が変」「散歩を嫌がる」と感じたら、早めに動物病院にご相談ください。

 

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